夜眠れない時に寝るには?

コーヒーを夕方に飲んでしまい、眠れなくなりました…
悩み事が頭の中をぐるぐる駆け巡ってなかなか寝付けません。
昼寝をし過ぎて眠れなくなりました…

睡眠の量が減り、質が悪くなると、ストレスが増え、生活にも支障をきたしてしまいます(1)。
今回は、ベッドに入ってもなかなか眠れない時の対処法についてご紹介いたします。

「寝なきゃ」をやめる

無理に寝ようとする努力は、かえって脳を覚醒させてしまいます(2)。 睡眠恒常性により、起きているほど眠くなります(3)。カフェインなどの刺激物を避けて、眠くないのに布団に入るのではなく、眠りのスイッチが入るのを待つことが大切です。

筋肉に力を入れて緩める

体の筋肉を意図的に緊張させてから一気にゆるめる方法です。
つま先からスタートして額まで、細かく部位を分けながら、数秒間ぐーっと力を入れて緊張させた後、一気に脱力してリラックスさせます (4)。つま先を強く丸めて緩め、次はふくらはぎといった具合です。

これを各部位で繰り返すことで、身体的な緊張(覚醒状態)が解け、深いリラックス状態(副交感神経優位)へ移行しやすくなります。研究では、漸進的筋弛緩法により、睡眠の質を大幅に改善し、不安も軽減することが示されています(5)。

部屋を暗くする

夜間に強い光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられてしまいます (6)。 カフェインと光が組み合わさると特に最悪です。寝る前は部屋の照明を落とし、暗い環境を作ることでメラトニンの分泌を促すことが可能です。光をコントロールすることは、スムーズに眠りに入るための物理的なスイッチになります。

思考を整理する

悩み事についてぐるぐると考えてしまうことは寝付けない原因の中でもトップクラスの要因です(1)。これを解決するために思考を整理することが効果的です。

以下が思考を整理するステップです(1)。

  1. 紙に今気になっている悩みや問題を3つほど書き出します。
  2. それぞれの解決に向けた具体的なステップを書きます。
  3. その紙を折り畳んで、枕元に置いておきます。
  4. 布団の中で悩み始めたら、「自分は問題にしっかり対処した。これ以上できることはない」と自分に言い聞かせ、脳の興奮を鎮めます。

上記によって、布団の中でのぐるぐる思考を防げます。

ゆっくりと呼吸をする

ゆっくりとした深い呼吸は、自律神経をリラックスモードに切り替えます。 具体的には、1分間に6回程度のペースで呼吸を行うと、心拍と呼吸が同調し、リラックス効果が高まります。これにより、入眠までの時間が短縮され、眠りの安定感が増すことが報告されています (7)。

体温を下げるための手足を温める

睡眠の開始と体温の低下は同時に起こるため、スムーズな入眠には「深部体温が下がること」が不可欠です (8)。就寝前に手足を温めると、血管が広がって、体の深部の熱が逃げやすくなります
また、就寝の1時間以上前にお湯に浸かると、その後の深部体温の低下が急激になり、深い眠りが増えることが分かっています。

寝具を使って皮膚の温度を31〜35℃の範囲に保つと、睡眠が安定しやすくなります。眠るのに最適な室温は19~21℃のようです。

本を読む

寝る前に15〜30分ほど本を読むことは、睡眠の質を向上させます (9)。 読書は低コストで手軽にできるリラックス法であり、中途覚醒を減らす効果も期待できます。

ただし、スマートフォンの画面ではなく、紙の本や電子ペーパーなどの刺激の少ないものを選ぶのがポイントです。

  1. Carney, C. E., & Waters, W. F. (2006). Effects of a structured problem-solving procedure on pre-sleep cognitive arousal in college students with insomnia. Behavioral Sleep Medicine, 4(1), 13-28.
  2. Espie, C. A., Broomfield, N. M., MacMahon, K. M., Macphee, L. M., & Taylor, L. M. (2006). The attention–intention–effort pathway in the development of psychophysiologic insomnia: a theoretical review. Sleep medicine reviews, 10(4), 215-245.
  3. Borbély, A. (2022). The two‐process model of sleep regulation: Beginnings and outlook. Journal of sleep research, 31(4), e13598.
  4. https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/try-this-progressive-muscle-relaxation-for-sleep
  5. Donato, K. O., Falcão, L., Nishizima, A., Oliveira, A. S., Gonzalez, J. V., Ribeiro, N. N., … & Salles, C. (2026). Progressive muscle relaxation technique improves sleep quality and mental health: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Journal of Psychosomatic Research, 112563.
  6. Wright Jr, K. P., Badia, P., Myers, B. L., Plenzler, S. C., & Hakel, M. (1997). Caffeine and light effects on nighttime melatonin and temperature levels in sleep-deprived humans. Brain research, 747(1), 78-84.
  7. Jerath, R., Beveridge, C., & Barnes, V. A. (2019). Self-regulation of breathing as an adjunctive treatment of insomnia. Frontiers in psychiatry, 9, 423812.
  8. Harding, E. C., Franks, N. P., & Wisden, W. (2019). The temperature dependence of sleep. Frontiers in neuroscience, 13, 336.
  9. Finucane, E., O’Brien, A., Treweek, S., Newell, J., Das, K., Chapman, S., … & Devane, D. (2021). Does reading a book in bed make a difference to sleep in comparison to not reading a book in bed? The People’s Trial—an online, pragmatic, randomised trial. Trials, 22(1), 873.
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